この観戦ツアーは、至れり尽くせりのサービスがついている。
集合場所からSS会場に移動してしばらくすると、発電機の音と同時にライトアップされたコーナーが美しく浮き上がってくる。
これは、まだ明るいうちに川又たちがコーナーのイン側に杭を打ちライトアップしたもの。
これによってギャラリーは、コーナーのアプローチから車が見えなくなるまでドライビングの詳細を見る事が出来るのだ。
もちろん、照射位置や角度はドライビングに支障をきたす事のない様に配慮されている。この辺りはドライバーでもある川又の細かいノウハウが生きている。
ギャラリーに対しての注意事項があった後は、「1号車は何時何分に通過します。」「今、1号車がスタートしました。」川又は、無線で確認した競技車の情報を刻々とギャラリーに伝えている。一方ギャラリーは受付の際に配られた各ドライバーの紹介記事に目を通している。
これも、観戦ツアーの主催者が事前に作っておいたものだ。
競技が始まるまでのラリー談義も川又の経験が裏づけになっているので楽しい。
競技が始まればドライビング評論も、また楽しい。
「今のはドライビング・ミスだね? あそこでサイド・ブレーキは要らないよ。」
「上手いね、今のは理想のラインだよ! あのラインを走らなければタイムは出ないんだよね。」
バラバラで見ていたギャラリーが、いつしか川又の声が聞こえる位置に集まってきた。 |