|
【今年の深谷ダムは一味違う! 新設ジャンプ台とセレモニアルスタート】
10月21日(土)快晴
6:00起き。7:00にホテル出発。
7:40、「ほおのき平スキー場」に到着。眼下で行われている車検を眺めながらパンを頬張る。清々しい朝です。写真を撮って回った後、車内に戻ると、ウトウトしてしまい、9:10頃プレス受付に行くと、大半のプレスは既に済ませた後のようで、「PRESS」の札は好評完売。代わりに受け取ったパスを首から下げて、外へ出ると、そろそろエントラントもサービス会場入りしているよう。
一旦、資料を置きに車へ戻ると、視界を横切る小金教授の姿が。あ〜っ、小金教授、小金教授〜!!! 声を掛けると、今年も一緒に深谷ダムを観戦するということになり、後ほど現地合流で。スキーセンター裏には、まだコスモス畑が満開で、朝の陽と、紅葉とで秋らしく、ハイランドらしい幸せな光景。
ラリーアートの須賀さんは、今日の深夜ゴール後に、ラリーAUSへと経ってしまう奴田原選手を懸念してか、昼間の健全な天候の元、写真を撮っている。「はい、バンザイ!」「はい、握手!」うっ、やらせですか・・・!?
10:00からのプレスミーティング会場となる、スキーセンター2Fの会場へ。
ほとんど最後の登場だったようで、三木競技長も席に座っている。今回はJRCAの小西さんまで含め、総勢23人出席という盛況ぶり。首都圏開催のラリーを凌ぐ、ここハイランドマスターズの人気ぶりが伺える。
三木さんの前では、プレスミーティングも先生と生徒のようにしか見えず、一人肩を震わせ笑ってしまった。
質問もほとんど出ず15分で終わり、深谷ダムへ向かう。
ギャラリーステージ脇の側道に車両を止め、小金教授と合流し、ヒストリックカーを前に雑談。
12:00前に、並んでスタートゲート脇に立つと、DJのアナウンスが入る。
「どうぞ、スタート付近で観戦ください」の声で、集まってきたギャラリーで、周辺は一気に賑やかな雰囲気に。
サインを求められる選手がいたり、スバル・三菱の応援フラッグを選手自らがファンにプレゼントしたりと、エントラントもギャラリーもどちらも楽しそうな笑顔。
12:31に、勝田選手のインプレッサからスタート。正午の逆光タイムで、写真的には号泣、ボンネットの反射は強烈だ。しかし、ギャラリーの沿道脇を抜けていくエントラントはいい表情で、ギャラリーに囲まれてのスタートもいい光景だなと思う。
全車撮りを終え、13:59のSS3スタートまで、しばしの休憩。競技の方は、SS1で田口選手がベストを取り、SS2終了時点でトップを走っているとのこと。仮設トイレ脇の愛車に戻るが、個室待ちのギャラリーの視線を浴びつつの昼食は耐えられそうにもなく、小金教授と共に、奥の斜面に潜伏し、森林浴をしながらのLUNCH。
これもまたラリーの楽しみ。
時間が近付いたので、それぞれの持ち場で待機。せっかくだから、ジャンプスポットを狙っておきたい。
0カーのコルトが現れたので、期待しつつファインダーを覗くと、あら、飛ばない? 競技車はどうかと、1号車の勝田選手インプレッサを待ったものの、やはり飛ばない。ジャンプスポットは、単なるお立ち台だったのか?
このたった2台で見切りをつけ、中のプールへ場所移動に走る。
昨年と同じ構図で代わり映えがしないが、最初10台まではここで流し撮り。
しかしやはりジャンプ台に未練がある。
もう一度、ジャンプ台を、車両がこちらを向いた瞬間にシャッターを切ってみると、飛ばないまでも、それなりにタイヤの切れ角が迫力のある構図になり、そこそこ楽しい。…が、残り全車ここで撮るのも面白くなく、またプールイン側からの流し撮りに。
何かが起こる、ハイランドの深谷ダムギャラリーステージ。
それはゼッケンNo33のレビンをファインダーを通して見送った直後だった。鈍い音に目をやると、スローモーションのように宙に舞い上がるレビンが見え、その直後、恐ろしい音と共に2回転。
しかしエントラントに怪我はなく、自力で下りてきた2人は、そのままギャラリーに転身。
曰く、「道を使わせては頂きましたが、塞いで迷惑を掛けることなく、美しくリタイアしました」とのこと。確かに・・・。
ここは場所探しに翻弄しつつ、SS1本が終わってしまったような感じだった。
次いで15:44スタートの深谷2本目、SS4。
どうしても背後に、どこか観光地のような美しいダムを写し込みたく、何とかラリー車も湖も両方移せないものかと、撮影場所を求めて時間イッパイ彷徨ってはみたものの、どうにもココという地点がなく、藪をガサゴソと徘徊した挙げ句、1本目のギャラステで木々にタップリ降り掛かった砂埃を被るだけの結果となり、妥協して最後に落ち着いた場所でカメラを調整していると、構図の中に入ってくる人影が。
あ〜っ、他のプレスがそこに立つとは想定外だったが、その時既に競技開始1分前。
場所を移す時間もなく、泣く泣くラリー車と背後霊の共演写真となってしまった。更には風向きがこちらに狙いを定めているようで、1台通過した後には、体を丸め、ジャンパーでカメラを覆い、砂塵が体を抜けていくのを、じっと耐えなければならない。
順調に撮影をしていたのも、ゼッケンNo20ぐらいまでであっただろうか。ふと、「メガネどこやった・・・?」シャツに引っ掛けておいた眼鏡をどこかへ落としてしまったようだった。
絶えず場所を変えて撮ってはいたが、そう歩き回ってはいない筈・・・。とは思うのだが、なんせ裸眼0.1ない身なので、見付からない。
エンジンの音が近付き、慌ててシャッターは切るものの、ほとんど集中できていない。"ヤバい! 眼鏡がないと、こっから帰れないぞ"
。競技以外のことが頭に浮かび、写真どころではなくなってしまった。
背後にいたギャラリーに声を掛ける。「ここら辺にメガネ、落ちてないですか?」
巻き込まれたギャラリーは、草むらを捜索してくれるものの、見付からない。
気が付けば、ゼッケンNo.45が通過していくではないか。今年最後のラリー撮影が終わってしまうという感慨が湧く余裕もなく、"あと5台で競技終了じゃん!
どーする?どーする自分?"ばかりが浮かんでくる。そして地面に向かってAFし続けた効果も虚しく、スイーパー終了。あぁぁ・・・。
結局、数人のギャラリーと共に、大捜索願いを出したところ、一人が「ありました!」と!
無事保護され、手元に戻ってきた泥々の眼鏡君。そしてご協力頂いたギャラリーの皆様、ありがとうございました・・・。
我に返ると、こんな悲しい事態で今年最後のSS撮影が終わってしまっていた。何だかなー・・・。
虚しい気分でサービス直行。
到着した「ほおのき平スキー場」の駐車場は、もうストロボ必須の闇に包まれている。
勝田選手がリタイアしたとの情報が飛び込んで来た。
サービスは投光機を付けて、20分整備の真っ最中だ。
高山短大の学生が、帽子を振って大橋ドライバーを送る様子を見届けてから、車に戻る。
次の22:49からのサービスまではしばらくあるし、悩ましい時間。思い切ってホテルへ帰ると、フロントで「ごゆっくりおやすみください」と女性に優しく声を掛けられるが、まだまだ眠れないんだな。ギャラステで付着した砂を落とし、夕食を取って来ることにする。α-1に到着したのが19:30。
夕食を食べながら、何気なく横目でアイテナリーを眺める。
"んっ、SS8の八本原REVERSEUが21:17スタート!?ということは、八本原林道の入口で張って入れば、競技車が撮れるじゃん!"。
弁当は打ち切り、移動に30分は最低かかるだろう…と、20:40には部屋を飛び出す。
目的地は「赤かぶの里」。再びカメラとセリカを相棒に、夜の闇へと走り出す。
R158を登って行くと、途中、青谷を終えた北村選手のインプレッサが、こちらへ合流しようとしているところだった。
赤かぶの里付近に街灯は全くなく、ヘッドライトの明かりだけで駐車場の入口を探さなくてはいけない。
駐車場内も真っ暗なので、敷地の広さも良くわからない程だ。車を止め、キーホルダーの何とも心もとない照明を手に、林道入口って、赤かぶよりも上だっけ?
下だっけ?
幸い、0カーが林道へ曲がって行くのがみえたので、一般道と林道への側道入口との分岐点が見えた。
不気味な明かりを元にフラフラと近付いて行くと、オフィシャルの車が入って来、入口で待機するのが見えた。
あまりの不審者ぶりに、1・2回ヘッドライトで照らされたと思った直後、中から出てきた人影。
三木競技長でした!
こんな場所でお会いできると、ほっとしますね〜。
街灯がない分、頭上には飛び散ったスプレーのように無数の星が。身震いする程寒いけれども、ラリーの真っ最中なんだと思うと、幸せな気分に。
やがて一般車の合間に現れた奴田原選手のインプレッサ。ここは単に林道への分岐点に過ぎず、速度を緩めることなく視界から消えていってしまった。なかなか一瞬にストロボを焚いて写真を撮るのは難しそうだ。
最初の数台を写し、どうにも無理そうだとあきらめ、サービスに戻る。しばしの休憩中のテントの群れの中を泳いでいると、勝田選手が戻って来ているのがみえた。ボールジョイントの破損だったそうで、マシントラブルだっただけに、非常に悔しそうで、一瞬なんと声を掛けていいのかもわからないほど。
あまりの寒さに一旦、車に非難。暖房を掛けて、22:30まで30分弱ウトウトと…。
フリースの上に更にベンチコートを羽織り、車外へ出ると、車両が戻って来ている気配。再びの20分サービスの後、いよいよラスト1本に出発だ!
ほおのき平を飛び出していく車両を、お見送り。最後のSSで起きた数々のドラマを見てきただけに、競技の結果を知るまでは不安で仕方がない。
日付が変わり、0:30を過ぎた頃、不意にパルクフェルメに向かって走り出すJRCAのカメラクルー。思わずつられて追従すると、合わせたように戻って来た奴田原選手。
早速、車外でインタビューを受けるが、聞き取れないので順位がわからない。
次いで石田選手もパルクフェルメ入り。少し離れ、立っていると、戻って来た今回の主役、田口選手は、こちらに気付き、斜面で停車。駆け寄ると、窓が開き、一言「ありがとう!」と手を差し出してくれる。
この瞬間、優勝を確信。「おめでとうございます!」
同じくパルクフェルメに駐車した田口選手は、ヒーローインタビューを受けている。
競技が始まってから見た、一番いい笑顔だった。
すぐさま移動用の車に乗り込み、各ホテルへと引き返していくエントラント。
しかし、今年のラリーが終わってしまったことと、今見たドラマのエンティングの余韻に、しばらくは暗い車内で、動けずにいた。
|