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病気が発覚して知二は自分を見つめ直した。 もしかして自分が走って楽しい思いをしただけではなかったのではないか。会社に入った目的はこんなんじゃなかったはずだ。 "ラリーって良いもんだよ"というメッセージをメーカーの人間として発信しなければならなかったはずだ・・・。 そう思うと時間のない知二は、病気のことなど考えてはいられなかった。 「よし! 恵と一緒にラリーに出よう。」 今年が最後になるかもしれない11月のパースでのラリーオーストラリア(来年も開催決定)がターゲットだった。 幸いラリー活動を通じてできた仲間たちが応援をしてくれた。 競技車は山梨県萌木の村の舟木良が貸してくれた。 マネージメントは群馬の高桑春雄がしてくれた。 共に過去オーストラリアを走り、経験豊富なスタッフ。会社も応援をしてくれた。 病気の具合が心配だった河野は決心をした。 安く気軽に参加できるグループN車の意味。 ラリーの持つ楽しさを多くの人に分かって貰いたいという願いを仲間と一緒に伝えよう。 「ラリーって楽しいんだよ」ということをオーストラリアで叫んできた。 会社に入って夢中で過ごした18年間にできなかったことを少しでも実現するために、まずはスタート台を目指した。 こんな気持ちがパースに向けて背中を押したのだった。 |